甦れ、街なか。中心市街地活性化読本 PartⅡ (健康・福祉・居住編)
【甦れ、街なか。】
―中心市街地活性化読本PartⅡ―
健康・福祉・居住編
- 発行 : (公財)区画整理促進機構 街なか再生全国支援センター
平成12年7月1日刷 - A4版図書
- ページ数 : 141P
- 定価 : 1,980円(税込)
健康・福祉・居住の観点にたち、施策連携の応用と工夫をどう行えばよいのか、そして、民間と公共との相互の適切な役割と費用、分担の下で、地域社会を活性化するためにどのような取組みを行えば良いかについてまとめた、手引き書
目 次
序.健康・福祉・居住編の使い方
1.なぜ中心市街地で健康・福祉・居住施策を展開するのか
(1)現在の健康・福祉・居住施策にはどのようなものがあるのか
(2)なぜ、中心市街地において健康・福祉・居住施策を展開するのか
2.中心市街地活性化につながる健康・福祉・居住施策とはどのようなものか
(1)対象とする健康・福祉・居住施策
(2)健康・福祉・居住に係わる活性化事業の展開状況
(3)健康・福祉・居住に係わる活性化事業展開の動向のまとめ
3.健康・福祉・居住施策を中心とした施策連携とはどのようなものか
(1)施策連携を調査する都市の紹介
(2)施策連携の動向のまとめ
4.健康・福祉・居住施策展開ポイントとはなにか
(1)施策展開のポイント
(2)施策ごとにみた展開上の留意事項と支援メニュー
5.健康・福祉・居住施策展開のイメージ
(1)モデル都市の設定
(2)モデル都市の現状と施策タイプの設定
(3)モデル都市における健康・福祉・居住施策展開のイメージ
参考.キーワード解説
参考資料.健康・福祉・居住施策についての先進事例都市紹介
1.秋田県鷹巣町の取り組み
(1)取り組み概要
(2)鷹巣町の概況
(3)取り組み内容
(4)取り組みの効果
(5)今後の課題など
2.福島県三春町の取り組み
(1)取り組み概要
(2)三春町の概況
(3)取り組み内容
(4)取り組みの効果
(5)今後の課題など
3.茨城県古河市の取り組み
(1)取り組み概要
(2)古河市の概況
(3)取り組み内容
(4)取り組みの効果
(5)今後の課題など
4.愛知県高浜市の取り組み
(1)取り組み概要
(2)高浜市の概況
(3)取り組み内容
(4)取り組みの効果
(5)今後の課題など
序.健康・福祉・居住編の使い方
中心市街地の空洞化の歴史を振り返ると、元々は鉄道を中心とした交通網の結節点に商業・業務機能が集中することにより中心市街地の活力が形成されていたものが、地価高騰や子育てに適した環境の確保等によって、郊外へのファミリー層の移転やモータリゼーションの進展に伴う立地優位性の喪失などにより、人口減少と空洞化が生じたものです。
経済の効率性、利便性を追求した結果生じたこのような社会や都市構造の変化は、今後急激に進む世界史的にも初めての超高齢社会の到来とあいまって、さらに中心市街地の問題を顕在化するだけでなく、従来の社会分業の見直しを迫ることとなりました。とりわけ、健康、生活サービス、介護などの分野が成長産業として着目される一方で、単にサービスを利用する人、提供する人の関係にとどまらない利用の仕組みを機能させたり、サービス自体をインフォーマルで行っていこうとする人など、多様な形態・組織・機能を生み出してきました。地域は、住み、働き、地域の役割を果たすといった、暮らしにかかわる施策連携を可能とする包括的な事業展開の場をなることが必要であるといわれています。
例えば、後期高齢者の場合などは住む場所と生活サービスを受ける場所を近接させるため、交通結節点周辺に住む場を準備する必要があると言われています。介護のためのサービス機能の展開も必要とされます。結果として、中心市街地に新たな雇用機会が発生し、また、ボランティアなどの活動の活性化も期待できると考えられます。
このように中心市街地活性化に結びつく、健康・福祉・居住施策の展開を考えるためには、機能的かつ連携された施策展開を考える必要があります。
健康・福祉・居住編では、このような観点にたち、 施策連携の応用と工夫をどう行えば良いのか、そして、民間と公共との相互の適切な役割分担と費用負担の下で、地域社会を活性化するためにどのような取組を行えば良いか、本書はそのための手引きとして活用することを狙いとしてさくせいされたものです。
そこで、健康・福祉・居住編は、次のような目次立てで構成されています。
1.なぜ中心市街地で健康・福祉・居住施策を展開するのか
2.中心市街地活性化につながる健康・福祉・居住施策とはどのようなものか
3.健康・福祉・居住を中心とした施策連携とはどのようなものか
4.健康・福祉・居住施策展開のポイントとはなにか
5.健康・福祉・居住施策展開のイメージ
本編巻末にキーワードでどこを参照すれば良いのかといった索引がつけてあります。あわせてご活用下さい。